経絡敏感人という言葉を聞いたことがあるでしょうか。経絡の流れを感じることができる敏感な人のことです。その方に協力いただいて鍼灸の経絡について研究された先輩方がおられました。そしてその先輩方は、身体の中にはまだ認識されていない電子信号系があり、その信号系に働きかけるのが鍼灸ではないか、とおっしゃっています。
先輩方の報告によると、経絡敏感人の協力を得て、
・古典の原穴と言われるツボへの刺激で経絡通りに響く。ということから、「経絡は実際にあるのかもしれない。」
・大椎と呼ばれるツボの位置に3説あり、それを試すとどの説も同じような方向に響く。が、近くに磁石を置くとその3説の響き方がそれぞれ違ってくる。ということから、「電磁場の状態で効き方が違うのではないか。」
など、様々な示唆を持たれています。
一般の患者さんに対しても、症状軽減の体感を頼りに、
・古典に書かれている経絡上にある圧痛点の、川上に銅、川下に亜鉛を接触させたら、症状が軽減し、逆の刺激をすると症状が悪化する。
という治療体験をしておられたり、
・経絡別に皮膚の電気抵抗の強弱を数値化し、経絡の電気抵抗バランスを整える治療。
として良導絡をいう流派を日本で創始された先生もおられます。
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私も鍼灸学校に居た時には、経絡敏感人にいつか会えたら研究に協力してもらえるかな、などふと考えたものです。それが今や敏感人に会うどころか、始原東洋医学という流派を経て、経絡経穴の流れを診て感じて、その都度その身体の求める刺激を、質と方向と時間を考えながら吟味しているという…。不思議なものです。
今治療では、プラス点マイナス点と流派で名付けた二点に、銅(もしくはチタン)とアルミ(もしくは亜鉛)、磁石のN極とS極など、普通に刺激方法として多用しています。二点に真逆の刺激をすると悪化するというのも流派では当たり前の認識で皆細心の注意を払って治療しています。私たちにとって上記の先輩方の体験は、本当に至極納得するものなのです。
色々と長くなりましたが、日々ご縁のある方に身体を診せていただく中で感じること、経絡経穴や東洋医術に関連するものを、こちらで私らしく発信していこうと思いました。どうぞよろしくお願いします。
!私の表現で伝えきれないことも多いと思います。軽い気持ちでみてやっていただければと思います。
!身体はお一人お一人積み上げているものが違いますし、治癒していく過程も違います。全員に効くもの、正解、絶対的なものとしては受け取られないように、くれぐれもよろしくお願いいたします。
!純粋な感覚で精査していくため、古典や知識などを前提とした治療(思考が介入する治療)はしていません。そういう説明ができることは少ないこと、ご了承いただければと思います。