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■その痛みの先に

ツボの痛みとは何だろう。最近感想に痛いという言葉をよくいただくので改めて考えたくなった。

 

大体鍼は「痛い」を不安がる方は多い。ただそれは身体の感覚器として受け取る刺激としての不安だ。私の思うツボの響きとしての「痛い」は何だかそういうのと違う気がするのだ。心地よさを伴う痛み「痛気持ち良さ」というのと近いかもしれない。痛さの先に来るスッキリ感、爽快感を身体が知っているかのような、そんな「身体が受け入れている痛み」とでもいうのだろうか。

 

ある患者さんは「痛さの先の快感があるんです」という。体験すればするほど、病みつきになる。初めてでも「そこだー」「これは効く」と不思議な確信を持って、嬉しいのか痛いのか分からない表情でその感覚を味わっている人もいる。頭のツボが1番響きやすいのだけれど、頭の刺激をかっていただいている方も多い。

 

ちなみに当院では、鍼の使用は一回の治療で大体3-4本。直径0.12-14mmの髪の毛より細いと言われるものを使い、刺入も1mmいれないくらい。ただ、これが痛いと言われるのではなく、痛いと言われるのは細かく方向性と強さまでぴったりツボに合わせていけるていしん(銅の棒)での刺激、そして指での刺激である。

 

「痛い」「瞑想の境地で漂う」「スッキリした」ご感想を改めて言葉にしていただく中で、これが一連の流れで起こるというのも面白いものだと自分の治療を客観視するこの頃である。ご感想いただき本当に感謝(*´ー`*)