不妊カウンセリングというものは、様々な定義の仕方があるとは思いますが、
「不妊特有の心理に対応し、言語・非言語によるコミュニケーションにより
クライアント自身が自分で問題を解決できるようサポートをする。」
というものだと考えます。
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より良い不妊カウンセリングを目指して、
NPO法人など民間団体による不妊カウンセリング講座が増えてきています。
今回はその不妊カウンセリングに関連する資格についての話です。
資格が全てではないですが、参考になればと思います。
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まず通常のカウンセラーの資格から。
多種多様なものがありますが、認知度が高いものとしては、
■財団法人日本臨床心理士資格協会 による民間資格
【臨床心理士】 心理学系の大学院を出た後、認定試験に合格した者。
■一般社団法人日本産業カウンセラー協会 による民間資格
【産業カウンセラー】1年間協会による講座を受けた後、認定試験に合格した者。
というものがあります。
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そして、不妊カウンセラー。
■NPO法人日本不妊カウンセリング学会 による民間資格
【不妊カウンセラー】①学会会員であること、②養成講座に3回以上参加すること、を満たした上で認定試験に合格した者。5年毎に資格更新が必要で、更新には学術大会などへの参加や研究発表などでの点数取得が必要。
【体外受精コーディネーター】上記①②の条件、③ART実施施設で勤務もしくは研修を1年以上すること、を満たした上で認定試験に合格した者。上記と同じく5年毎の更新が必要。
■日本生殖医療心理カウンセリング学会 による民間資格
【生殖心理カウンセラー】①不妊に悩むカップルへの心理的援助に関心を持つ心理士であること、②養成講座を受けること、を満たした上で認定試験に合格した者。5年毎に資格更新が必要で、更新には学術大会などへの参加での点数取得が必要。
【生殖医療相談士】①学会会員であること、②現在不妊相談を行っている、または今後行おうと考えている医療関係者(有資格者)、または各自治体の不妊専門相談の担当者であること、③養成講座を受けること、を満たした上で認定試験に合格した者。上記と同じく5年毎の更新が必要。
■NPO法人Fine による民間資格
【不妊ピア・カウンセラー】 ①不妊体験者であること、②心理学的知識や技術を学ぶ講座を受けること(1-2年)、を満たした上で認定試験に合格した者。
があります。
不妊カウンセリング関連の資格取得者で、病院以外で活動されている方はまだ少ないようですが、
最近は日本不妊カウンセリング学会の不妊カウンセラーが最近病院外で増えてきています。
(鍼灸院・漢方薬局・当事者によるカウンセリングルーム、などなど。)
いろいろな選択の中で「資格」というものも参考にしていただければと思います。
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ちなみに、
・当院は「こころとからだ山紫水明」と言う名の通り、こころへのケアも重要視しています。妊活初診時はもちろん、再診時もその都度状況に応じて必要なサポートをしています。妊活サポート時、こころへの配慮は本当に必要不可欠です。
・私は2011年から日本不妊カウンセリング学会に所属し、学術大会3回・養成講座4回を受けて、2013年12月に不妊カウンセラーとして認定されました。更新もして、学会の学び、その他での学びも続けています。