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妊活ガイドブックへの寄稿~具体的な3つの質問への回答~

2015年秋に、主婦のお悩み解決のためのポータルサイト『syufeel』の妊活ガイドブックに当salonが掲載されました。

 

全国の妊活に関わる専門家が3つの質問に答えるという内容のものです。

・妊娠しやすくするためには何をしたらいい?

・旦那が妊活に協力してくれず困っている…どうすればいい?

・芸能人や友人の妊娠・出産の話を聞くのが辛くて、どうすればいいのかわからない

 

この3つの質問、妊活中の悩みの的を得ているなと思います。

絶対の正解はないと思いますが、私が答えた内容を以下でお伝えしていきますね。

ガイドブックに載る際に随分文量は減りましたが、こちらでは寄稿した際の長文のままお伝えします。

 

全国の専門家がどうこの質問に答えているのか、ご興味がある方は下記ページより、

ガイドブックダウンロードをと思います。(メルマガの登録が必要です。)

http://www.syufeel.com/onayami_ichiran/maternity/downloads01/

 

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<結婚3年目・35歳の女性・結婚当初から妊娠望むが子供ができない・不妊相談初めて>

の方から以下の質問をされたら、あなたはどうお答えしますか。

 

◆ 妊娠しやすくするためには何をしたらいい? ◆

 

・検査が大事です

妊娠するためには、①卵子が正常に育ち排卵できていること、②精子がしっかり生きて運動していること、③卵子と精子が出会うための卵管が通っていること、④ 卵子排卵の時期に精子が卵管内で待機できるよう性交渉がタイミングよく行えている、もしくは頻繁に性交渉を持てているか、の4点が重要になってきます。

 

④に関しては、基礎体温をみながら生理が終わってから排卵し高温になるまでの期間に、2-3日に1度、性交渉を持てているのが理想かと思います。もし2年以上しっかり性交渉を持てているのに妊娠できない場合は不妊症と分類される訳ですが、まずは①~③の確認のために不妊治療の経験豊富な病院で検査をして貰うことが大事です。特に35歳以降は一般的に妊娠率が下がっていくと言われていますので、もし検査がまだでしたらまず検査を受けられることをお勧めします。

 

① に関しては、内診や血液検査で、低温期は卵の発育状態やホルモンの状態を確認し、高温期は排卵がしっかり行われているか確認できます。②に関しては、精液 検査で精子の数や運動率をみれますし、フーナーテストで性交渉後の膣内での精子の状況も確認できます。③に関しては卵管の造影検査です。卵管の通水検査な どは卵管の通りを良くする治療としての側面もあり妊娠率も上がると言われています。

 

検査に引っかかると、その状況によって妊娠に向けての治療の選択肢が限られてきますので、早めに検査をしておくことが肝要です。また、最近は卵巣機能の状態をみるAMHの血液検査もスタンダードになってきました。卵巣で育っている排卵3か月前の卵の出すホルモンを調べることで、卵巣の機能や卵の状態を推測でき、治療の選択の参考になります。

 

・生活習慣としては、

 

【冷え防止】 主にお腹回り・足元の保温。受動的なカイロなどより運動などで身体が自然と熱を生み出す状態を。足湯や半身浴の温め刺激はいいです。

 

【十分な睡眠】 疲れた時・生理前・妊娠初期などは特に回復のために睡眠は大事です。

 

【ストレス対策】 感情は溜めずに吐き出すこと、表現することが大事です。泣くのも我慢するより健康的です。マイナス思考になりがちなときは、できるだけ、無いもの=子供より有るもの=支えてくれる旦那さん、に意識を向けられるように工夫。

 

【食事】 30歳 からは魚介類や卵を摂っている人が卵巣機能がいいと言われています。甘いものを摂りすぎたりと血糖値が急激に上がるような食事も卵巣に良くないと出ていま す。またトランス脂肪酸は精子によくありません。極端な偏りや極端に神経質になるのは控えた方がいいですが、楽しく食事できる範囲内で工夫してみて下さ い。

 

【運動】 下半身や骨盤まわりの筋肉が弱い人が多いです。ちょっと大股でのウォーキングや足腰使っての掃除、下半身インナーマッスルを鍛える四股ふみダイエッ ト、ヨガもリラックスできたり、下半身をしっかり動かしたり、呼吸を大事したり、女性性を感じる種類のヨガはいいかと思います。身体の動かし方として、悪 い癖を取り、より余裕を持って動くことを学ぶフェルデンクライスメソッドというボディワークもオススメです。

 

・鍼灸や漢方は体質改善、不定愁訴改善にいいです。身体の土台ができた上での妊娠でもあります。身体作りに利用してみて下さい。鍼灸も漢方も流派などがあり、いろいろありますが、相性のいいところ、そして効果が実感できるところをと思います。PMSや生理痛はもちろん、身体が軽くなった・疲れにくくなったとすぐ感じられることも多いです。23回、もしくは1ヶ月を目安に感じてみて貰えたらと思います。何にしても本当に身体に合うものは実感できるものです。卵巣の機能などは実感は難しいと思いますが、卵子は排卵3か月前から身体の状態の影響を受けているとも言いますので、卵子を重点的にと思う場合は3ヶ月を目安にして様子をみるといいと思います。

 

◆ 旦那が妊活に協力してくれず困っている、どうすればいい? ◆

 

・ まず大事なのは、自分の気持ちにしっかり向き合うことかと思います。例えば「話を聞いてくれない」という旦那さんへのイライラがあるのであれば、その思い を持つときの身体の感覚に意識を向けて感じてあげると、今の自分の素直な思いが出てきたりします。「焦る。怖い。悲しい。」何でもいいです、涙も流してい いです、それを感じてあげて下さい。無理をして気持ちを押さえつけて、見ないふり、逃げてしまっていると、自分に余裕がなくなり、旦那さんを責めるような 気持ち、相手を思いやれない状態になりがちです。そして、責めるような感情は相手も冷静で居れなくしてしまいます。まずは自分の気持ちに気付いて優しく抱 きしめてあげて、少し気持ちが緩んだ中で気持ちを穏やかに旦那さんとシェアしてみましょう。いつもは旦那さんを思いやれている優しいご自身だと思います。 妊活中に気持ちがどうしても不安定になりがちなのは当たり前なので、自分を責めることもしないで下さいね。

 

・ 子供ということに関してはご夫婦二人の問題であり、二人が向き合う必要があります。子供を持つことに対しての気持ちの差ももちろんあるとは思いますが、お 互いの気持ちをシェアしあう中で二人の答えを二人で見つけていくものだと思います。私たちは残念ながら、情報を提供すること、そして気持ちを少しでも穏や かに保てるようにフォローすることしかできません。ただ、妊活の過程でご夫婦が向き合うことは絆を強くすることにも繋がります。日本でも世界でも妊活を経 験したご夫婦は離婚率が下がるという研究結果がしっかり出ています。この機会を今後人生を共に歩く旦那さんとの絆を深める機会にもしていっていただければ と思います。

 

◆ 芸能人や友人の妊娠・出産の話を聞くのが辛くて、どうすればいいかわからない。 ◆

 

・ 妊娠というものは努力して得られるものではありません。できるところでは準備もしながら、あとは待つものだと思っています。コントロールができないものに 対してコントロールしようと頑張るとずっと緊張状態で身体も心も疲れてしまいます。交感神経優位になり血流も悪くなり、自律神経のバランスが崩れるとホル モンのバランスまで崩れてしまいます。妊娠を諦めた途端に妊娠した、とはよく聞きますが理にも適っていると思います。対象である子供を頑張って取りに行く イメージ、から、受け手である自分を受け入れ寛ぐ状態で居る、ことから始めてみましょう。自分を受け入れるということですが、最善を尽くそうと思っている 自分だったら受け入れてあげられますよね。妊娠したら寛ぐ、から、寛いだら妊娠する、という発想の転換でいきましょう。本当は妊娠は2番くらいで、楽しく顔晴る(がんばる)のが理想なんです。

 

・気持ちに余裕がない時は、ないものに目が行きがちです。あるものに目を向けてみましょう。旦那さんが側にいてくれます、一人ではないです。あるものを数えて感謝できたら、心や身体の状況が変わってくることも往々にしてあります。

 

・ご友人の話ですが、やはり受け取り手のご自身に余裕がないことで上手に受け取れないことは普通です。ご自身やご友人を責めたりせず、少し距離を置くものご自身やご友人を守るために必要なことかと思います。

 

・ 妊活でのご友人に関しても、始めは共感できてほっとすることもあるかもしれませんが、いつどういうタイミングで、お互いにうまくいったりうまくいかなかっ たりという状況が起こるか分からないこともあり、最終的に関係がうまくいかなくなることも多いです。少し気を留めておいていただけたらと思います。逆に、 妊活経験者、妊娠もしくは諦めると言った形で終結を迎えている方であればとても強い味方・支えになってくれると思います。もちろん、妊活中の方を支えるた めに専門でされている方もいいと思います。

 

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以上です。何かのご参考になれば幸いです。